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気滞タイプ
エネルギーの停滞

気滞とは気がスムーズに流れない状態を表す漢方独特の概念です。
「気」は「元気」「気が晴れる」などの言葉に通じますが、体や精神を健康に保つのに必要なエネルギーを指します。
「気」が足りないのが「気虚」、
「気」の流れがスムーズでないものが「気滞」、エネルギーの停滞です。

気滞チェック あてはまる項目が多ければ気滞タイプ

・イライラする
・情緒不安定
・寝つきが悪い
・胸、お腹、脇などに圧迫感がある
・排尿や排便がスムーズでなく、出すぎたり出にくかったり一定しない
・胃腸の具合が一定しない
・女性では、月経周期がバラつく
・生理前に胸が張って痛む
・生理前にイライラしたり涙もろくなるなど情緒不安定になる


気滞は血・水の流れを邪魔したり、他の臓器・組織の機能の低下を起こすので、大抵は他にも様々な問題を併せ持っています。
ですが「気滞」を自覚するのは一般には無理なことで、実際に不快に感じるのは気滞から生じた他の症状です。その場合、通常は表に表れている症状だけを改善しようとしますが、根本にある気滞を放置したままだと、また元に戻ってしまいます。

気滞になる原因は色々ありますが、一番多いのは精神的ストレスによるものです。その他飲食の不摂生による場合などもあります。

責任感が強い、精神的に繊細、考え込んでしまう、ストレスの発散が苦手、悩みを一人で抱え込んでしまう、几帳面で完ぺき主義、と言ったタイプの人に多く見られます。

表に表れる症状は、次のようなものがあります。

気滞とダイエット

気滞が代謝の低下につながり、やせにくくしています。
むくみやすいのも特徴です。

やせにくい以前に、気滞の人が太る原因のひとつとして、ストレスがたまるとつい食べてしまう、「ストレス食い」があり、非常に大きな問題です。
「ストレス食い」と言う言葉にピンと来るようなら、ダイエットよりももっともっと大切な問題が潜んでいると思ってください。
また、多忙のために食生活が乱れていたり、食事のかわりにお菓子を食べてしまう、夜遅くに食事を摂る、飲酒が多い、外食やインスタントの食品やコンビニ食など栄養バランスを取りづらく高カロリーになりがちな食生活に偏っている方も多いようです。

ストレス食い

なぜイライラすると食べてしまうのでしょうか。

食べて満腹感が得られると、副交感神経が興奮します。
副交感神経は本来精神がリラックスした時に興奮する自律神経なので、満腹感により脳は「リラックスした」と錯覚します。
食べることは最も簡単にリラックス感を得られる方法なのです。

ストレスを受けると交感神経が興奮します。この時、食べて手っ取り早くリラックス感を味わうことで、体をストレスから守っているわけです。これを一度経験してしまうと、ストレスを感じるたびに、食べて安心感を得ようとしてしまいます。
これを繰り返すとリラックスの引き換えにカロリーを摂取して、肥満になってしまいます。当然、糖尿病などの危険も控えています。

ストレスで交感神経が優位になったら、食べて副交感神経を優位にさせてリラックス感を得る、この行為を極端に繰り返すのが過食症です。
食べて一時的に安心感を得たあと、やせ願望から吐くのが習慣になってしまうケースもあります。
食べてしまった事に罪悪感や後悔を感じて、更にストレスを抱え込む人も多いものです。

拒食症は、ストレスにより交感神経が過剰に興奮してしまって、食べられない状態です。
どちらも症状が進むと、交感神経と副交感神経の興奮が振り子のように行ったり来たりして過食と拒食を繰り返してしまい、非常に危険な状態になります。

「ストレス食い」に覚えがある人は、その事で罪悪感を感じたり、自分を嫌いになったりせず、まずは
「思った以上にストレスは強いらしい」
「自分の体は無理をしているらしい」

と思ってみてください。
体が欲しているのは、食べることではなく、その先にある「リラックス」です。ならば、別の方法でリラックス感を得られれば、食べる回数は減らせるのです。
深呼吸、散歩、好きな音楽を聴く、映画や本などで楽しむ、など、些細なことで、少しずつでも食べる回数を減らせれば良いのです。
適度な運動が出来ればより理想的です。
負担になるほどの激しい運動は禁物です。
一念発起してジム通いを決め、ジムへ行くための時間のやりくりに苦労する、体力に見合わない運動をして更に疲れる、など、ありがちなパターンですが、むしろ逆効果になりかねませんので、無理はやめましょう。

よく「ストレスの原因を取り除きましょう」、など言われますが、それが可能な人はどれだけいるでしょうか。
仕事、学校、育児、介護など、多くの場合、環境を変えることは、そう簡単には出来ません。運動をする時間、読書や映画を見る時間も取れない人はたくさんいます。
そんなときには漢方薬の力を借りて、気のめぐりを改善し、肝の働きを促すことで、自律神経系の過剰な興奮を抑えて、精神のバランスを整えることで、体にかかる負担を軽減し、体調を整えることが出来ます。

対策

気をめぐらせる理気薬を用いることを基本とします。
気滞だけが単独で現れることは少なく、それ以外にも色々な症状があることが多いので、必要に応じて方剤を選んだり、組み合わせて服用します。

気滞の影響を受けて最も受けやすい臓器は「」です。肝の気が滞って、自律神経系や精神面のバランスを崩してしまったものを「肝気鬱結」と呼び、年齢・男女に関わりなく非常に多く見られる状態です。
ストレスが強くイライラする、些細なことで怒ってしまう、憂鬱感、生理不順、PMS(生理前症候群)などがある人は、肝気のめぐりを良くするお薬が必要です。

漢方薬

イライラ、情緒不安定などがあれば柴胡が配合されている漢方薬を用います。
加味逍遥散(かみしょうようさん)、四逆散(しぎゃくさん)、柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)などを体質に応じて選びます。
気分がふさぎがちで、お腹の張りなどが気になるようなら半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)を用います。

気滞タイプで貧血傾向があれば、補血(ほけつ:血を増やすこと)をしながら理気をしないと、うまく効果が現れないか、むしろ体に負担をかけてしまう場合もあります。そんなときには、当帰養血精を併用すると効果的です。
加味逍遥散に補血効果のある四物湯が配合されたカミセーヌCもおすすめです。
三爽茶は気のめぐりを改善し、リラックス効果もあるシベリア人参が配合されているダイエットハーブティーです。気滞タイプでやせにくい体質の方、ぜひお試しください。

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当帰養血精(とうきようけつせい) 
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当帰の働きが血を補い、血流を改善します。
血虚(血が足りない)方は、これ単品、あるいは他の漢方薬や健康食品と組み合わせて服用すると非常に効果的です。